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2008年中国オープンソースソフトウェア産業の総決算

今回のもとネタはこちら
『盘点2008中国开源软件产业』

【翻訳】
中国オープンソース推進連盟主席 陸首群

世界的に、オープンソースの技術は成熟し、ある種の主流モデルを形成し、中国でもオープンソース発展の春を迎えている。

2008年Linuxの販売・サービス額は32,324万元に達し、前年比16.6%の成長である(そのうちデスクトップLinuxの出荷台数は748万台で、販売・サービス額は2,694万元 ; サーバLinuxの出荷台数は7.7万台で、販売・サービス額は29,630万元であった)。

中国ローカルのオフィススイート(中標軟件, Red Flag 2000, 永中, 金山, 共創)はオープンソースとクローズドソースの2種類に分けられ、2008年の出荷数は80万セットで、販売・サービス額は約1.2億元であった ; 共創が生産停止, 金山が減産をしたのが原因で、その他企業の出荷数, 販売・サービス額は成長しているにも関わらず、2008年の全体の水準としては2007年と同様な水準となった。オープンソースオフィススイート(Open Office)はインターネットから自由に無償でダウンロード可能だが、去年の中国でのダウンロード数は400万回強にのぼり、これは世界のダウンロード数(年平均1億強)の約4-5%であった。

昨年、ネットブック(Netbook)の台頭と売れ行きが好調だったことは、世界のPCの発展の中で良い点であった。オープンソースのマイクロソフトへの挑戦でもあり、Linux発展のチャンスも提供した。去年世界のネットブックあるいはミニパソコン1,300万台の販売の中、Windows XP(簡易版)は約70%で、Linuxが搭載されたものは30%だけであったが、Linux(小物)がWindows(大物)をこじ開けるには充分で、マイクロソフトの当年の売上高減少を引き起こし、続けて株価は暴落した。中国のネットブックLinuxの始まりと発展は遅れを取っていない(ちなみに、今日我々は早期のネットブックの市場と技術のポジショニングには同意していない)。

Linuxはモバイル組み込み分野で驚くべき速度で成長しており、Gartner社の統計によると、2007年組み込みデバイス市場で、Linuxは18.3%のシェアで、VxWorksは11.9%、Windowsは16.3%であった。中国の有力な大手IT企業はLinux/OSS携帯電話の開発, 製造あるいは運用をはじめたが、これは現在の中国オープンソースにとって重要な兆しである。華為, 中興通信は以前ODM方式で携帯電話を製造し、去年の華為の携帯電話生産数は3,000万台強で、中興通信は4,000万台強で、彼らの生産量は相当なものである。 華為は2008-2009年にかけて2,3種類のLinuxカーネルベースのAndroidのスマートフォンを出荷する ; 中興通信は2010年までに慶太電話の出荷数を1億台に伸ばし、2013年に世界TOP3にランクしたいと考えており、同社はまたLinux/QTスマートフォンを研究開発している。中国移動はLinuxカーネルベースのAndroid(SDK, Apache V2) OSであるOMS(Open Mobile System)およびそれに対応した携帯電話Ophoneを間もなくリリースする。

中国のLinux市場シェアは2006年の9.0%から2008年は12.3%まで上昇した ; Linuxの販売市場は早期の政府, 教育分野から金融, 郵政, 電信, 鉄道, 電力, 石油, 医療, 公安, 航空, 商業など大規模な市場に向かった ; 去年の11月、COPUは中国国内の銀行, 証券, 電信, エネルギー, 鉄道など大手ユーザーのIT責任者とLinuxディストリビューションを招待し対話をさせ、Linuxをこれら重要な業界の中で応用していくよう推進した。
去年の10月、COPUはクラウドコンピューティング, Trustworthy Computingについての国際シンポジウムを開催し、クラウドコンピューティング, グリッドコンピューティング, 高性能コンピューティング, 仮想化コンピューティング, Trustworthy Computingなどのハイエンドな分野での応用でLinuxを推進した。

少し前まで、第二回”デジタル図書館とオープンソースソフトウェア”学術研究会が北京で行われていたが、COPUは会議のリーダー的存在として招かれ、我々は専門家の論文の中に、OS, データベース管理システム, Webやアプリケーションサーバーから、コンテンツ管理システム, オフィスオートメーション, 開発プラットフォームおよびツール, グリッド管理, ストレージ管理, 検索エンジン, 全文検索、そしてデータマイニング, ビジネスインテリジェンス, 可視化, チームワークなどの方面で、国内外の各デジタル図書館は幅広くオープンソースソフトウェアを採用していることを発見した。私(※訳者注:陸主席)は大会の基調講演の際次の通りに指摘した : 皆がネットから無料のオープンソースソフトウェア(コミュニティリリース版)をダウンロードした場合、コミュニティはあなた方に技術サポートとサービスを提供しないかもしれないことに注意しないといけなく、インストールと設定は自身の手腕にかかっていて、ソフトウェアの成熟度が高くない場合もある ; 皆がサービスが提供されるオープンソース(製品リリース版)を入手できる場合、このソフトウェアが無料であっても、サービスには費用が必要である(オープンソースソフトウェア提供メーカーはサポートとサービスを提供し、ソフトウェアの品質保証も提供する) ; 皆が入手したオープンソースソフトウェアは自由に利用, コピー, 改変ひいては再配布が可能だが、オープンソースソフトウェアのライセンス契約は遵守する必要があり、一旦違反すると、法的措置の問題に発展する可能性がある。

中国のオープンソース発展の勢いは非常に良く、現在226個ものオープンソースコミュニティが出てきている。去年の2月、COPUとLinuxファウンデーションが共同開催した”2008北京Linux開発者シンポジウム”で、中国の若手と海外オープンソースコミュニティの重鎮がシンポジウムで同席し、若手のオリジナルあふれる開発成果はインパクトに富んでいた。Linux Kernel 2.6.29では、11,232個の本バージョンのパッチ中、76人の中国人(見事ボランティア総計の6.85%を占める)がコミュニティ向けに822個のパッチで貢献した(全パッチの7.20%を占める) ; 南京富士通南大ソフトウェアテクノロジーのボランティア(開発者)李沢帆氏は、既にLinuxカーネルコミュニティにLinuxカーネルリソース管理モジュールコントロールグループのメンテナー(Control Groups Maintainer)に正式承認されていて、彼はドライバー分野以外としては中国国内初のメインテナーとなった。中国は連続して三回オープンソースソフトウェア評価コンテストを開催しており、29省市, 15のソフトウェアパーク、2万人強の中から選抜される。我々はオープンソースコミュニティにおいて消費者という役割からオープンソースコミュニティの貢献者と言う役割への転換を実現した。

中国には既にいくつかの国際的認知を持ったLinux新興企業が出てきており、毎年ディストリビューションとDELL, HP, ASUS, HEDY, レノボ, AIGO, 方正, 万利達, 長城などは数百万にもおよぶプレインストール契約を結んでおり、龍夢はLinux PC(龍芯2E, 2F CPU、Linux OS)を自主開発し量産体制に入っている。中国Red Flag, 中標軟件(Linuxディストリビュータ)とIntelは共同で、LinuxベースのMoblinV2(SDK)を開発し、OEMベンダーがネットブック(Netbook)およびモバイルインターネットデバイス(MID, Mobile Internet Device)を出荷するのをサポートし、去年から市場に進出している。

Linux以外にも、その他オープンソースソフトウェアも中国国内で大きな発展をしている。金蝶(Kingdee)社が開発したオープンソースミドルウェア(Apusic,コミュニティ版)は2008年にインターネットから無償でダウンロードできるようになり、ダウンロード数は5万にものぼった ; オープンソースミドルウェア(コアコンポーネント)のアプリケーションサーバーも市場に浸透しだした。金蝶のApusicミドルウェアは既に安徽省の新しい農村協同医療システムに、金蝶ミドルウェア中標民進中央信息資源管理プラットフォーム(民進のビジネスプロセスを整え、Apusicミドルウェアを木曽として情報リソースを統合し、ビジネステーマの情報リソース管理プラットフォームとして構築)に適用された(全省の41の県や市に導入)。Apache, JBOSS, JonASなどのオープンソースミドルウェアは中国国内でも数多く適用され、2005年中国で、Apacheは中国国内のWebサーバー市場の17.65%を占めて、世界百数十の国と地域において第2位に位置し、2007年9月の統計では、中国市場のApache適用は24.22%を占めるまでに上昇し、世界でのポジションが大幅に向上している。オープンソースデータベースのMySQL, PostgreSQLは中国で広く適用され、2006年MySQL(コミュニティ版)は中国で250万セットダウンロードされ(全世界の中で22.7%)、MySQL(商用版)は800セット販売された(全世界の中で0.7%) ; 2007年MySQL(商用版)は1,500セット販売され、年間成長率は120%で(販売額は1,760万元)、2008年、販売合計額は2,500万元になった。近年PHP, Perl, Python, Rubyなどのプログラミング言語の適用が広がり、PHPを例にすれば、2005年中国での適用は世界で第4位だったが、2007年に大幅に増加し、175の国と地域の中で中間の位置にランクされている ; 私は中国オープンソース推進連盟主席として、2008年3月13日に中日PHP企業協力協定の調印式に立会った ; 去年PHP(中国)とマイクロソフト(中国)はPHPアプリケーションの協力調印式を開催した。現在PHPを採用したWebサイト構築方法は主流となっており、PHPはネットワークアプリケーションでは世界トップだ。オープンソース開発環境/ツールのEclipse JDT(Java開発ツール)の利用率は、国内外で非常に高く、約50-60%になる。

オープンソースの教育トレーニングはオープンソースを推進し発展させるのに関連し重要である。近頃は中国国内も積極的で具体的な取り組みを採用している : 教育部は36ヶ所の国家Linuxセンターを建設し、オープンソースソフトウェアを正規の大学の教育カリキュラムに入れた ; 教育部LUPAオープンソースソフトウェア訓練基地, 広東Linux公共サービス技術サポートセンターなどは、民間の努力と、あるいは地方の財政支援のもと、教育部の認可あるいはサポートを取り付け、100ヶ所強の大学内で、異なる学期に, 異なる教材, 方法でLinuxとオープンソースのトレーニングを行っている(職業教育と組み合わせ) ; 中国(46ヶ所の大学および科学技術トレーニングセンター含め)とRed Hat, Intel, Novell, Sun, Oracle, IBM, LPIなど海外の企業あるいは団体は協力して、企業, 学校, コミュニティでLinuxとオープンソースの教育トレーニングを展開している ; 中国国内の多くのオープンソース企業, コミュニティ, 学校は、その内部で独自のLinuxとオープンソースの教育トレーニングを行ってもいる ; オープンソース連盟は全国29の省と市, 15のソフトウェアパーク内にあり、2万人強で組織されていて、オープンソースソフトウェアの比較評価コンテスト活動などを行い、同時に中日韓3国の比較評価コンテストを組織している。

オープンソースの発展には国際連携が不可欠であり、国際連携は中国オープンソースソフトウェアの発展を推進する力を持ち、我々の国際連携は豊富な特色があるが、いくつかの主要な協力プロジェクトは次のとおりである ; ①中日韓オープンソース推進フォーラム ; ②中仏オープンソース連携プロジェクト ; ③中露オープンソース連携 ; ④中国・フィンランドオープンソース連携 ; ⑤中国とEUのオープンソース連携(例えばQualipso計画, OW2計画, FLOSS Include/フリー・オープンソースソフトウェア国際連携発展ロードマップ) ; ⑥COPUとLinux Foundation(本部は米国)の連携 ; ⑦中国とDebian, Apache, MySQL, Firefox, Eclipse, Open Office.org, Gnomeなどコミュニティとの連携(去年Apache, OpenOffice.org, Gnomeと個別に中国で年次会, 理事会, 討論会などを行った) ; ⑧COPUと世界のオープンソースリーダーと重鎮で構成されるシンクタンクを招聘 ; ⑨COPUは20以上のIT多国籍企業(中国に支社がある)を連盟のメンバーに参加させ、中国側とこれらのIT多国籍企業とでオープンソース方面の協力を行う。


【書評】
中国オープンソース推進連盟主席 陸首群氏の2008年中国OSS状況の総括である。興味深いのは市場規模とコミュニティなどとの積極的な連携である。2008年の中国Linux市場の製品・サービスなどの販売総額は3億2,324万元(≒46億5千万円)で、日本が2007年時点でIDCによると約82億7千万円程度とのことなので、中国市場の規模を考えればまだまだ成長の余地は十二分にあると言えるであろう。ただ、デスクトップLinuxの販売台数が748万台と言うのは日本のパソコン年間出荷台数(約1,300万台)の6割程度もあり、日本よりかなり進んでいると感じる。ここにネットブックなどが2009年に本格化すればまだまだ伸びしろもあるであろう。
また、コミュニティ・団体との国際協力は非常に積極的である。Apache, OpenOffice.org, Gnomeなどの識者を招待し、会を催すというのは日本でも見習っていくべきことではないかと思う。日本でも今年にはLinux開発者会議「Kernel Summit」が開催されるとのことだが(参考記事)、こういった取り組みはもっともっと増やして、開発者などへの刺激、取り込みを行っていくべきであろう。また、LAMPはOSSのベース的存在であるが、見た目の派手さ(クラウド・仮想化など)だけでなく、そういった分野にも力を入れている所にも好感が持てる。2009年の中国のLinux/OSSへの取り組みもまた楽しみである。

テーマ : 中国ビジネス
ジャンル : ビジネス

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日本のIT業界に16年の経験、Linuxに代表されるオープンソースの業界には10年の経験を有する。特に日本のオープンソース業界では、その黎明期である2000年前後から、マーケティング,アライアンス職として、ビジネス企画・推進からパートナーとの協業モデルの構築などに従事。
2008年3月からは中国に渡り、オープンソース関連企業上海支社設立に従事。2009年7月からは独立し、中国安徽省馬鞍山市において、オープンソース専門企業の安徽開源軟件有限公司を設立。
現在も中国でLinux/OSS業界における日中の架け橋となるべく公私に渡り奮闘中。

Twitter => http://twitter.com/osschina

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